第2回ユネスコスクール関東ブロック大会・分科会を開催しました!(文科省事業)
第2回ユネスコスクール関東ブロック大会(幹事校 成蹊大学)の分科会が本校で開催されました!(公式 HP https://www.seikei.ac.jp/gakuen/esd/unesco/)
8月7日(土)に、文部科学省「ユネスコ未来共創プラットフォーム事業」として、関東地域におけるユネスコスクールの活性化を図るため、ユネスコスクール関東ブロック大会が、主催の成蹊大学を中心に、玉川大学、創価大学、東海大学、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会により開催されました。
まず、上記の5つの大学・協議会がそれぞれに分科会を開きました。大妻中野中学校・高等学校は、玉川大学と協働で第一分科会を主催、玉川大学ユネスコクラブの学生の皆さんと本校の生徒たちによるSDGsに関するワークショップを本校会場で行い、それを参加者に配信しました。玉川大学は、2008年にユネスコスクールに加盟。本校はユネスコスクール・Candidate校として、どちらもグローバル市民の育成に力を注ぐ教育を行い、その価値を共有しています。ユネスコスクール事業は、ホールスクールアプローチや地域連携と並んで、異学校種間連携は重要なテーマです。今回、玉川大学と本校とで、SDGs達成を目指す上でどのような連携が可能かを実際の共同を通して探求しました。
この第1分科会 – 玉川大学 x 大妻中野のコラボのテーマは、「SDGs達成に向けて、私たちにできること – 高大連携による共同イニシアティブの試み -」です。分科会ワークショップでは、本校の4つのグループ(貧困、環境、都市の持続的発展、教育などをテーマにリサーチ)が、本校の探究的な授業取り組みの成果として、それぞれのテーマについて発表を行い、それについて玉川大学の学生がコメントを行いました。それを踏まえ、それぞれ課題に共通する解決へのアプローチについて、玉川大学生と本校生徒によるパネルディスカッションを行いました。さらに、リサーチ、発表、ディスカッションの一連の取り組みをまとめ、大学生、高校生でまとめた世界のユースに向けた「共同声明」を作成し、発表を行いました。
午後の全体会では、文部事務次官、日本学術振興会理事長、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、東京国立博物館長を歴任された佐藤禎一氏による基調講演「SDGs運動の広がり」とフランスからの参加で、現ユネスコスクール国際コーディネイターの斎藤珠里氏による対話セッションがオンラインで開催されました。
ユネスコスクールはもともとユネスコの価値教育の推進拠点として設立されました。現在、ESD(開発教育)、GCED(地球市民教育)、異文化間学習がユネスコスクールの3本柱です。これらの価値教育を総括するのが人類共通の目標となっているSDGsです。
玉川大学と本校の協働プログラムを指導いただいた玉川大学教授の小林亮(こばやし まこと)先生からの言葉を紹介して、この大会の教育的意義を皆さんと共有します。
8月7日(土)の『第2回ユネスコスクール関東ブロック大会』の第1分科会(玉川・大妻中野分科会)では、大妻中野中学校・高等学校の生徒と玉川大学の学生とのコラボは、初めての試みでしたが、情報交換と学び合いのすばらしい高大連携ワークショップが実現できました。
私たちが今回取り組んだSDGs(持続可能な開発目標)は、人類全員の課題です。人種、民族、国籍、言語、宗教、性、世代、政治的・社会的立場、貧富の差、障害の有無その他すべての区別を乗り越えて、ホモ・サピエンスの私たちが平和で公正で持続可能な社会の実現に向けて「全員野球」で取り組まなければならない「日常の課題」です。その意味で、学校種を異にする大妻中野中学校・高等学校の生徒の皆さんと玉川大学の学生とがSDGsという同じ人類的課題に向けて、実り多い学び合いの場を創出できたことには、とても大きな意味があると思います。
高校生のみなさんの4グループの発表は、いずれも世界が直面する問題についての鋭い問いかけと解決への強い情熱とが感じられ、先生方のご指導により磨かれた英語やフランス語の表現力ともあわせて、本当にすばらしい内容でした。深く感銘を受けました。それに続くパネルディスカッションと共同声明の作成においても、高校生の皆さんと大学生とが心を一つにしてSDGsの課題に向き合い協力し合っている姿が伝わってきて、ここにSDGs教育の新たな可能性が拡がっていると実感することができました。大妻中野中学校高等学校の生徒のみなさんと玉川大学ユネスコクラブの学生との共同声明は、世界の仲間たちへの呼びかけとしてパリのユネスコ本部にお送りし、ぜひ世界中のユネスコスクールの仲間たちに共有していきましょう。
これを機に、同じSDGsの学習課題に取り組む世界のユネスコスクールの仲間たちとの間に、新しい学び合いと連携のネットワークが生まれることを願ってやみません。
2021年8月11日
玉川大学ユネスコクラブ顧問 小林 亮