From Nakano to the World 第8回グローバル教育発表会 開催しました!
第8回グローバル教育発表会 – なかのゼロホールで開催しました!
2月16日、今年で第8回を迎える本校の「グローバル教育発表会」が、日本国際連合協会のサポートと元国連大使の赤阪清隆大使、元シンガポール全権大使の竹内春久大使を始め、本校を指導してくださっている大学の先生方の参観のもと、なかのゼロホールで開催されました。
今年も昨年に引き続き、感染防止を徹底するという観点から、発表する生徒、関係教職員、ゲストのみによる無観客での実施で、発表の様子をライブで配信して視聴する形での実施です。今年は、スイス、シンガポール、ニュージーランドを始め、海外で本校の教育をサポートしてくださっている方々にも配信することができました。
この発表会はコンテスト形式によるTEDスタイルの英語プレゼンテーションと本校のグローバル教育、21世紀型スキル教育の成果を発表するグループ・プレゼンテーションの2部から構成されています。
第1部の中学3年、高校1年の選抜された生徒による英語プレゼンテーションと審査員との英語による質疑応答では、ユネスコスクール・キャンディードとして、全校をあげて取り組んでいるSDGsトピックについて、リサーチ、ソリューションの発表を行いました。これは、英語で「発表する力」「議論する力」の総合的な力の成果を競い合い、お互いにシェアするものです。
特に優れた発表をした生徒とグループには「国連協会長賞」が授与され、表彰を受けました。
また、第2部では本校のフランス語教育やICT教育への取り組みの成果を紹介するために、代表生徒によるフランス語でのプレゼンテーションや世界の課題解決に取り組むフロンティア・プロジェクト・チームの活動発表、IT分野の活動を行うS-TEAMによる成果発表などを行いました。
この会の冒頭のkey note speechで、赤阪大使は次のようにアドバイスをしてくだいました。
「今、世界はまさに光速のようなスピードで目まぐるしく変化している。コロナ・パンデミック、気候変動、AIの進化等々。そして、まさに今、今日にでも起こる可能性のあるウクライナ問題、戦争への懸念。こうした中に私たちはいる。しかし、世界をよりよくできる可能性と力を持っているのは、ここにいる若い皆さんだ。そのために最も重要なスキルがコミュニケーション能力とパブリック・スピーキング能力だ。日本では残念ながら、これまでこのパブリック・スピーキングの力が軽視されてきた。政治の世界でもビジネスの世界でも。昨年、私はこの大妻中野の発表会に来て、皆さんのスピーチの力、英語、フランス語の力に目を見張った。この体験を通して、スピーチの力を伸ばすこと。それによって世界を変えることができる。この発表会はそのための素晴らしい機会だ。昨年の私のアドバイス、5つのPを大切にすること。Proper Preparation Prevents Poor Performance を思い出してほしい。今日の皆さんのプレゼンテーションは、さらに成長した皆さんの力を感じることができると期待している。」
本校の英語プレゼンテーションとこの発表会のスーパーバイザーである大妻女子大学・大学院教授の服部孝彦先生からは、改めて、世界で通用するプレゼンテーションをするために必要なポイントは何かを、アメリカの大学院でプレゼンテーション技法、スピーチ技法を指導された理論と体験をもとにわかりやすくアドバイスがありました。
この発表会の様子を、参観された本校ユネスコ・スクール支援アドバイザーでもある玉川大学教育学部教授 小林亮(こばやしまこと)先生のお言葉でレポートしたいと思います。
大妻中野中学校・高等学校のみなさん、このたびはグローバル教育発表会でのすばらしい発表をありがとうございました。どれもよく考えられ、準備された質の高い英語やフランス語での発表でしたが、私がとくに感銘を受けたのは、発表者のみなさんがそれぞれ非常に身近で日常的な事柄から始めてそれをグローバルな課題につなげていたことです。まさに “Think globally, act locally”(グローカル)を実践しておられたみなさんの研究と発表はSDGs学習の王道を行くものです。またそれぞれ特定のテーマを扱いながらも、それがSDGsの他の目標ともつながりあっていることを可視化できたのも、みなさんの学習発表の大きな成果だと思います。領域の違う多くの事柄の間のつながりを理解することこそ、世界を持続可能なものに変容してゆけるための第一歩だからです。
その意味で、ユネスコスクール(ASPnet)に加盟される大妻中野中学校・高等学校で学ばれるみなさんが、SDGsの推進拠点として、まずは足元から、どうしたらこの世界をより持続可能で平和で公正なものにしていけるかを、ご自身の考え方や感性や行動の変容を通じて深く掘り下げ、SDGsの輝かしい先導隊として活躍してゆかれることを願ってやみません。
コロナ禍をはじめ、世界は気候変動、国際対立、格差社会など人類の持続可能性を脅かす危機に直面しています。しかしそこで絶望してしまうのではなく、危機だからこそ真の希望をもって未来をより良い方向へ変えてゆこうとする努力を継続すること、そこにこそSDGsの担い手としてのみなさんの使命があるのだと思います。どうか打たれ強い希望をもって、みなさん自身と人類の未来の持続可能性を実現していって下さい。みなさんの尊い歩みを心から応援しています。
―小林亮 先生 玉川大学教育学部教授(発達心理学)本校ユネスコ・スクールASP UnivNet支援アドバイザー
また、本校のSGHへの取り組みをこの会の第1回(2014年度)からサポートしてくださっている M. Fabien Roudier ファビアン・ルディエ氏 Former Director for Campus France by French Government )からです。
– Online Ryugaku program: The presentation was a great way to share about online study abroad experience, in addition, it provided great explanation on French tests & levels. Merci!
– Saviez-vous qu’il y a des territoires francais proches du Japon? : Great presentation on France geography & population, very interesting quizzes as well. Bravo!
Thank you again for organizing such a great event and looking forward to seeing you soon,
この会の締めくくりとして、本学校法人・大妻学院を代表して、伊藤正直理事長から、本校のこの会をサポートいただいた日本国連協会と以下のゲスト審査員の方々へのお礼がありました。 この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。(敬称略)
竹内 春久 元シンガポール特命全権大使、元外務省国際情報統括官、
赤阪 清隆 元国際連合事務次長、元経済協力開発機構 (OECD) 事務局事務次長
中川 利香 東洋大学経済学部教授(開発経済学、金融論)、国連英検指導検討委員
國枝 孝弘 慶應義塾大学総合政策学部教授
小林 亮 玉川大学教育学部教授 本校ユネスコ・スクールASPUnivNet支援アドバイザー
山崎 吉朗 一般社団法人・日本外国語教育推進機構理事長
永田 真一 ジュネーブ国際機関日本政府代表部参事官
林 稔 日本国際連合協会ディレクター
Fabien Roudier Former Director for Campus France by French Government
松川 雄哉 早稲田大学商学部専任講師
野澤 督 大東文化大学外国語学部講師
臼井 治久 サイシシャ・インターナショナルスクール理事長(前ニュージャージー日本人学校校長)
伊藤 正彰 エアカナダ日本支社長 Air Canada Japan General Manager
後藤 彰夫 公益財団法人海外子女教育振興財団 教育相談員
熊谷 智也 公益財団法人海外子女教育振興財団 外国語保持教室事業チーム
山田 仁 アシェット・ジャポン- Hachette Japon
宮元 育美 JSAF Japan Study Abroad Foundation IELTS テストマネージャー
伏木 真那実 トフルゼミナール
吉田 光行 ワイズパブリッシングジャパン株式会社副社長
後藤 敏夫 World Creative Education CEO (シンガポールのグローバル教育企業)
特別メッセージ 酒井 直人 東京都中野区長
最後に、元シンガポール全権大使の竹内春久大使からのフィードバックを共有させていただきます。
第8回グローバル教育発表会にお招きいただきありがとうございました。 長引く新型コロナの影響で皆で一堂に会することができなかったのは残念でしたが、皆さんの熱意が伝わる意義深い行事となりました。 皆さんのプレゼンテーションはいずれも良く準備され、内容面でも表現面でも優れた出来栄えで私自身も大いに勉強になりました。 皆さんが今回の成果を踏まえさらに努力を重ね、世界の人々の心に響くコミュニケーション能力を身につけて行くことを期待しています。
―竹内 春久 大使 元シンガポール特命全権大使、元外務省国際情報統括官