二学期始業式式辞
二学期始業式式辞
校長 有賀 康修
生徒全員が元気に二学期の始業式を迎えられたことをうれしく思います。みなさんは、それぞれに自分の計画を立て、補習や講習、海外短期研修などの学習に、公式戦、コンクール、合宿などの部活動に、家族との旅行など長期休業を利用して活動しました。その成果はあなたの自信となります。
今年の夏、北京オリンピックが開かれ、私たちはテレビを通して日本選手の活躍する姿や手に汗握る熱戦に興奮しました。金メダル二つを取った水泳の北島康介選手、優勝候補筆頭のアメリカ合衆国を破って念願の金メダルを獲得した女子ソフトボールなど、多くのドラマが展開されました。
私は、カヌー・スラローム女子カヤックシングルの竹下百合子選手の四位入賞が印象的でした。六位までに入賞することが目標だった竹下選手にとって、達成した成果は目標以上であって、一面では満足しています。他方では、自分で気がつかなかったケアレスミスで銅メダルを逃したことがとても悔しいのです。
竹下選手は、この悔しさをばねに、2012年のロンドンオリンピックに向けて練習を開始しています。竹下選手は、北京オリンピックの結果が出るとすぐに帰国し、多摩川で練習を始めています。北島選手も出場した最初のオリンピックでは四位でした。女子ソフトボールもこれまで金メダルには手が届かなかったのです。
本校を平成14年度に卒業した松本めぐみさんが、北京パラリンピックにボート競技「ダブルスカル」の日本代表として出場します。予選が9月9日16時20分から50分まで、敗者復活戦が翌日10日16時20分から50分まで、決勝が11日B決勝15時40分からA決勝が17時からです。松本さんは、高校三年生の一学期に交通事故に会い、片足を失ったのです。今、松本さんは交通事故にめげずに挑戦しています。皆さんも応援してください。
挫折して、悔しい思いをしっかり見つめることもあります。時には信頼する友達に自分のつらい気持ちを聞いてもらうことも必要です。落ち込んだときは、家族や友達に、しっかり弱音を吐きましょう。辛い気持ちを誰にも語らずに自分の中にしまっておくのは、それこそ辛いのです。
家族や友達のネットに支えられて、悔しさをばねに、エネルギーに転化して目標達成に努力しましょう。「失敗とは転ぶことではなく、起き上がることである」。ファイティングスピリット、勝利への闘志です。この二学期、それぞれが自分の夢の実現に向けて目標を立て、課題に挑戦する、新しい自分を創造する学期となることを希望します。