海外留学

2010 オーストラリア研修 レポート Day 12

2010 セント・アンドリュース・セミナー レポート  Day 12,  5th August, 2010

 木曜日。ちょっと雲の多い涼しい朝。朝の気温は16度。ひんやりした空気が日焼けした肌に心地よく感じられます。最高気温も26度と少し涼しくなりました。まもなくこの短期留学も終わりを迎えます。生徒の表情にも、心なしか寂しさが感じられます。天気もまた一つの節目を演出しているようです。気候のちょっとした変化に心情を重ね合わせる。日本的な情緒なんですね。

 今日は、セント・アンドリュースのYear11、シニアスクールの「ビジネス」の授業の様子から。2コマ連続の授業で最初のパートはマーケティングをテーマに、商品をさまざまなカテゴリーで分類していきます。主として、物として購入するもの、サービスとして消費するものにあたるのは、どんなものがあるのか。購入する人は、物を購入する時とサービスとして消費する時にどんな気持ちで買うのか。生徒と先生のやり取りで授業が進みます。活発でなかなか面白い。オーストラリアの若者の実生活での消費者意識が感じられます。日本の同世代とこの感覚はあまり変わらないですね。

 後半のパートは実業界からのゲストスピーカーを招いてのキャリア開発授業。ゲストの先生は弾丸のようなスピードで職業における必要なスキルと資格を生徒に質問を浴びせながら、話していきます。素晴らしいプレゼンテーションスキルのお手本になっています。いわゆるキャリア教育です。言語について、英語以外の言語にどれだけ関心がありますか?と先生の質問。生徒は「うーん!」という感じ。英語以外の言語がこれからのキャリアアップには必要だとのお話。英語圏であり、かつオーストラリアという国の特性を踏まえると、いろいろ考えさせられました。優れたビジネスの授業であり、同時に進路指導です。

 本校の生徒について。日本語科の先生とのお話の中からです。本校の生徒に日本語のモデルスピーチをさせました。今、勉強しているフレーズは、「~したい」と自分の意思を伝える表現です。本校の生徒に「さあ、日本語で言ってください」と言うと、生徒は、恥ずかしい気持ちもあり、すごく丁寧に小さな声で話すんですね。すると、バディの生徒が??「私と家で一緒にいる時は、けっこう大声で笑ったり、叫んだりしているのに、どうしてそんなに物静かに話すの?」と不思議がって質問。日本語の先生は、セントアンドリュースの生徒に「これが日本人の「場」を使い分けた話し方なんです」と説明をしましたとのこと。

 日本語の先生はこうおっしゃいました。「本校の生徒は、オーストラリア人があまり理解できていない「日本人の感覚」という文化の違いを、この日本語の話し方で身をもって教えてくれましたよ。日本語を外国人が勉強する上で、最も大切なことは、意識の違いという文化のギャップを理解することなんです。」と。日本では当たり前すぎて、それについて考えなかったことを、改めて意識できたことは、この短期留学の大きな成果だと思います。言語を学ぶことは文化の違いに意識的になること。そして、その差に序列的優劣をつけないこと。これは他言語の文化圏で苦労をして生活してみないと、あるいはその言語のネイティブと身近に生活しないとわかりません。貴重な体験でしたね。

 日本的情緒。世代と消費者意識。キャリアと言語。英語と日本語。そして文化とは?さまざまな視点から考えさせられる課題を本校の生徒もセントアンドリュースの生徒ももらった2週間だと思います。

 さて、明日はセント・アンドリュースに登校する最終日。フェアウエルパーティの準備も進んでいます。皆で披露する歌のリハーサルも無事終了。いい感じです。明日のパーティは生涯忘れられない素敵な思い出になると思います。明日はビッグディです。

引率 水澤

フェアウエルパーティの歌のリハーサル♪             この下校風景もあと1日

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放課後のセントアンドリュース 名残おしくて…        放課後は小学生のケアもしています

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放課後のセントアンドリュース                   美術の後片付け        

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