妻中便り

St. Andrew’s Seminar 2015 – Day 9: Presents from SACC

Today is the beginning of the latter half of our stay in SACC.  In the morning all the students gathered and attended the ceremony of the presentation of Australian books from SACC to our school.  Mr. MacMaster introduced the books to the students, and also explained the meaning of this presentation.  After that, we listened to Mr. Gary Wilson, who is one of the SACC teachers and also the son of a soldier in the World War II.  Students were taught his view of war and learned about a matter of "perspective."

 

今日からlife in SACCの後半戦が始まりました。

週末明けの学校に集まった生徒達は、やや遊び疲れた様子ではありましたが、

それでも元気に週末のアクティビティについて感想を言い合っていました。

How was your weekend?  Where did you go?と聞けば、

一斉に言葉が返ってきます。

 

I went to a beach!

I went to the mountain area!

I went to the sea, the city, and a river!

 

それぞれが週末を楽しく過ごしたようです。

また、英語教師としての視点から言えば、この週末を経て、

明らかに生徒の英語アウトプットがスムーズになっていました。

やはり週末二日間での楽しみながらの英語生活は効果大です。

 

また、今日はMs. Morimotoの誕生日、昨日はMs. Hulmeの誕生日でした。

朝、集合した生徒の前でMr. MacMasterがそのことを紹介すると、

自然と生徒の間からは手拍子とともに"Happy birthday to you"の合唱が始まりました。

学期中、クラスに誕生日の生徒がいると始まるあれです。

大妻中野の教室では聴き慣れたその響きがRedlynch Valleyに広がり、

道行く教員や生徒たちも自然と笑顔になってそれを見守ります。

This is our celebration.  This is our culture.

さりげない出来事のようで、本校の象徴的な文化をさりげなくもしっかり伝えることができた気がして、

そんなことを自然にできる生徒たちを誇りに思いました。

 

今日の朝、1〜3時間目、生徒達は集合して特別プログラムに参加しましたが、

本題に入る前に、Mr. MacMaster、Ms. Hulme、Ms. Morimotoという主要な関係者3名が教室に揃い、

本校への寄贈図書の贈呈式(presentation)が行われました。

 

 

昨年度、本校とSACCの姉妹校協定が締結されてから、

SACCは毎年この寄贈図書を送ってくださることを明言しており、

昨年度から実際に段ボール数箱分の図書を頂き、

それは英語室後方の"Books from St. Andrew's"コーナーに展示されています(もちろんfree to readです!)。

本の内容も工夫してくださっていて、オーストラリアの文化や生態系など、

様々な角度からこの国について学べるラインナップとなっています。

今年度も段ボール3箱分の図書とカンガルーのぬいぐるみを頂きました。

これらは2学期から英語室にてavailableになる予定です。乞うご期待!

 

 

今週は8月6日を含んだ週ということもあり、

第二次世界大戦に絡めたプログラムが用意されています。

戦争体験もまたオーストラリアと日本の両国にとって重要であり、

普段の生活の中では触れるにはtoo heavyではありますが、

やはり避けては通れないtopicの一つであります。

今日の特別プログラムは、本来はMannual Artを教えるMr. Gary Wilsonによる講話でした。

彼は祖父がWorld War Iで、父親がWorld War IIでオーストラリア軍の一員として戦い、

彼自身もベトナム戦争に参加した経験をお持ちです。

父親が戦時中、日本軍の捕虜となり強制労働を強いられたとのことで、

その経験を元に、「オーストラリア側から見た戦争」について語ってくださいました。

 

 

当然のことではありますが、国の歴史は、とりわけ戦争がらみとなると、

多かれ少なかれ国ごとに言い分があり、国内的な教育にはその国の主観が混じります。

どれが正しい、どれが間違っている、という話を始めると必ずその議論はcomplicatedなものとなります。

その点は今日のMr. Wilsonの講話に関しても言えることだったでしょう。

ただ今ここで大切なのは、我々が自国の外に出て、「外からの視点」に生で触れたことです。

Mr. Wilsonの講話の最中に必要に応じて解説を入れたりしてくださったMs. Morimotoの口からは、

何度も何度も"perspective"という単語が発せられました。

perspectiveとは、大局的なものの見方、視点、視座を表す単語です。

 

国によって、人によって、物事に対するdifferent perspectiveを持っている。

そう言ってしまうとごくごく当たり前のことのようですが、

実際に自分たちとは根本から異なるperspectiveを持つ方の話を聞き、

その上でそれを認めることは自分たち自身のperspectiveを"one of them"とする、

つまり自分たちのperspectiveを相対化することを意味します。

自分たちが考えていたこと、自分たちが依拠していたものの見方、それが絶対ではないと知ること、

それは生徒達にとって決して「当たり前」ではなく、

むしろパラダイム・シフトと呼んでもいいくらいの大きなショックを受けるべき出来事です。

 

そういった全てを乗り越えた上で、最終的な目標としての「平和」を共有すること。

それがしっかりと為された上でようやく、具体的なHow?の話が始まります。

道のりは長く険しいですが、今を生きる我々皆が必ず取り組むべき課題です。

そんなメッセージを受け、生徒たちも、そして我々も、身が引き締まる思いでした。

 

週の初めの最初の授業でガツンとショックを受けたこの留学後半戦、

明日以降はどんな学びが待っているのでしょうか。

 

 

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