妻中便り

St. Andrew’s Seminar 2015 – Day 13(2/2): The Farewell Party

今日の午後はcreative danceの授業でしたが、その前、昼休みのこと。

生徒たちはSt. Andrew'sの象徴でもある場所、チャペルの前に集合し、

Farewell Partyで歌う歌の練習をしました。

ちなみにこのチャペルの前は校内で最も神聖な場所、

あえて何も建物や遮蔽物を置かず、目の前の視界がまっすぐ開けた場所となっています。

 

 

今日はSACC最後の日ということで、バディと一緒に集まってチャペル前でランチを食べてから練習、

という予定になっていました。

目的はこの校内で一番素敵な場所で最後のランチを楽しみながら別れを惜しんでもらう、

というだけでなく、その後の歌をバディへの手向けとして、

残念ながらパーティには招かれていないschool buddyたちとのささやかなfarewell ceremonyを行うため、

でもありました。

手早くランチをとった後、簡単に歌を紹介して、大妻中野生の歌声をバディに披露しました。

 

 

学校教育における合唱の文化は日本が海外に向けてもっと誇るべきものです。

とりわけ本校はその文化が他校に比べてずっと洗練され、定着しています。

特別に時間をかけて練習をしたわけでもないこの状況だからこそ、

生徒たちの底力がよくわかります。

その場に集まったバディやバディの友達、

つまり今回本校生徒に関わってくれたSACCの生徒たちみんなが、

その歌声に聴き入ります。

音楽は、英語よりもずっと広く伝播している「言語」であり、いわば本当の世界共通語です。

歌詞が日本語であろうがなんだろうが、歌声に込めたメッセージは伝わります。

校歌で改めて本校生徒として自己紹介し、

『平和の鐘』で日本とオーストラリア両国の平和への願いを、

『ドレミの歌(英語版)』で英語圏文化へのリスペクトを、

それぞれ生徒たちは表現し、

それが伝わっているからこそそこにいたSACCの生徒たちは黙ってじっと聴き入り、

そして盛大な拍手を送ってくれたはず。

この「歌を歌う」というだけの、スピーチも何もなく、MCもおらず、

生徒が集まってほぼ自発的に行っているだけの簡単なセレモニーでも、

「音楽が気持ちを媒介する」というその点のみによってそれはきちんと成り立つし、

このセレモニーを行っている意味を両者が嫌でも理解できてしまいます。

だからこれが終わった時、別れはことさらに強く意識されてしまいます。

生徒たちはそれぞれのバディたちのところで別れを惜しみ、

Ms. Hulmeのメッセージにあった"there are so many tears"が展開されました。

 

 

この素晴らしい環境で過ごした2週間、ずっと側にいて一緒に過ごしていたバディとの別れは、

仕方のないこととはいえ、生徒たちにはひどく酷なことに思えます。

ただ、皆さんには未来があります。月並みではありますが実際に「無限の可能性」を皆さんは持っています。

 

SACCで学びたい、バディともっと一緒にいたい、そう思うなら、

是非ターム留学にエントリーしてみて下さい。

高1なら来年もう一回このプログラムに参加することだってできます。

あるいはケアンズが気に入ったなら、またバディの生徒やホストファミリーに会いたくなったなら、

大学生になって留学に来てみるのはいかがですか。

ワーキングホリデーもありますよ。

何なら留学ではなくケアンズの大学への入学を目指して今から準備してみますか。

我々のように、仕事で来ることだってできます。

もちろん旅行で来たっていいんです。

 

そう、本当に、何だってできるんです。

だから、今のその悲しさや寂しさを強く抱いていてください。

一時の感情としていずれ風化させてしまうのではなく、

それをモチベーションに変えて将来に繋げていってください。

喜びであれ悲しみであれ、強い思いは必ず何かを生み出す原動力となります。

今回のこのプログラムに参加したことがどんな形であれ皆さんの人生に大きな影響を与えるのであれば、

このプログラムは皆さんにとって「大成功」なんです。

我々はそうであってほしいと強く思います。

 

夕方からはTanksという貸しスペースでFarewell Partyが行われました。

host familyが集い、SACCからも、

Mr. MacMaster、Ms. Hulme、Ms. Fedrizzi、Ms. Morimotoをはじめとした主要な関係者が集まって下さいました。

 

 

今回の旅の思い出を振り返るスライドショーが流れ、

生徒たちはファミリーとともにこの2週間に思いを馳せます。

その後、本校教員によるthank you speechが行われ、

続いて高校2年生の小林さん、山本さんによるfarewell speechが行われた後、

生徒たちは昼に練習した歌を再び、今度はファミリーの前で披露しました。

 

 

つい今し方まで元気に走り回っていたhost brotherやhost sisterたちが、

生徒たちのすぐ目の前に座り込み、自然と黙って歌声に耳を傾けます。

やはり音楽の力はすごいな、と思わざるを得ません。

この2週間、自分の娘のように生徒たちを可愛がってくれたhost familyたちが、

どこか誇らしげな表情で生徒たちを見つめていたことがとても印象的でした。

 

パーティの締めくくりにMr. MacMasterからのスピーチ、

そして修了証の授与、最後にhost family代表として、

まずjunior schoolに通うSophie Pageさんが昨年に続きスピーチし、

続いて1月に本校を留学生として訪れるShayne Keppieさんのスピーチが行われ、

会はお開きとなりました。

 

 

生徒たちはこの2週間、本当によく頑張りました。

Mr. MacMasterがスピーチの中で触れていたように、

本校とSACCの関係は急激に大きく強固なものになってきています。

それは生徒一人一人の頑張る姿勢がその前提としてあるからこそです。

そしてまたこのプログラムは今回様々な試みを取り入れ大きく進化しましたが、

それが成功したのは、今回の参加者25名が全てに前向きに取り組んでくれたからに他なりません。

Ms. Hulmeは会が終わった後、早速私に来年に向けた改善案を提案してくださいましたが、

SACCの先生方がそのようにこのプログラムに対して真剣に向き合い、

より良いものを作っていこうと考えてくださるのも、

今回の参加者たちが熱心に取り組んでいる姿を見たからに他なりません。

皆さんは自分たち自身の学びをしっかり遂行すると同時に、後輩たちの道を切り拓きもしたんです。

私も、皆さんを誇りに思います。

 

明日の昼、我々はケアンズを発ちます。

明日の朝は辛い別れが待っています。

 

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