妻中生から中学受験生へのメッセージ2016⑫(最終版)
2月が近づいてくると、明るい挨拶の声とともに行き過ぎていく生徒たちを
見ては、「あの年の入試で入って来た生徒なのだなあ・・・」と、何年か前の
入試を思い起こしてしまいます。入試の思い出に引っ張られるように浮かんで
くるのは、もちろん、入学式の光景です。
初めての教室で、ブカブカの制服で、先輩たちから胸に花を付けてもらう姿。
自分の教室が分からなくなって、廊下で右往左往する姿。
かぶりもののようにセーラー服をまとった1年生が、やがてハキハキと挨拶を
するようになり、自主的に行動できるようになり、後輩に教えてあげられる
ように成長していく様子は、本当に見ているだけで嬉しいものです。
同学年の友人たちと築くヨコの糸。
先輩後輩たちと結んでいくタテの糸。
6年間かけて織りなされる鮮やかなタペストリーは一枚一枚がオリジナル。
自慢の逸品です。
入試の前日の今日、お送りするメッセージは、すでに見事な織り上がりを見せて
くれている妻中屈指の織姫から。
大妻中野の全校生徒を代表して、高校生徒会長が贈るエールです。
私は、2月1日の午前と午後、続けて大妻中野を受験しました。
学校見学のつもりで訪れた文化祭で、中学1年生の教室に行ったとき、
「受験生へのお手紙」をもらったことが、妻中を第1志望にした理由です。
他の学校の文化祭ではこんなおもてなしは経験しなかったので、ああ、
いい学校だなあ、と強く感じました。
午後入試が終わった後、午前入試の発表はもう貼り出されていたのですが、
お昼からあまり体調が良くなかったせいもあって、発表を見ないで帰宅し、
私はそのまま寝てしまいました。
夜、両親だけでインターネットの発表を見て、合格していることを確認し、
寝ている私にそっと声をかけてくれたそうです。(寝入っていたので覚えては
いませんが・・・)朝起きて、あらためて合格を知らせてもらい、第1志望に
受かった安心感で、心からホッとしました。
合格証をもらいに行った帰り道、隣を歩く親が涙を浮かべて喜んでいて
くれたことで、また嬉しさがこみ上げました。
妻中で5年間を過ごして一番学んだ、と言えるのはタテとヨコの人間関係です。
気持ちよく挨拶をすること。人として何が大切かをよく考えて行動すること。
たくさんの人とふれあう中で、いろいろなことがわかりました。
所属している合唱部は、まさに多くの学びを得られる場所です。
歌うことの良さは、自分が楽しいからだけではありません。
自分たちの歌を聴いてくれる人がいて、しかもその歌に感動してくれるから、
もっともっと良い歌を歌いたい!と自らを高めていけるのです。
たとえコンクールの舞台でなくても、どんな短いステージでも、私たちが歌う
ときには、歌に込めた気持ちを客席に伝えたいと思っています。
目の前で、私たちの歌を聴いた方が涙を流してくださったり、大きな拍手を
惜しみなくおくってくださったりする様子を見て、次はさらに良い歌を届けよう、
もっともっと頑張ろう、と歌に対して前向きになれることが嬉しいです。
受験生のみなさん。
何かに挑戦する結果は、自分の希望通りにいくこともいかないこともあります。
たとえどんな結果だったとしても、まずそれをしっかり受けとめてください。
そこから頑張り続ければ、必ず自分を高めていくことが出来ます。
受験生はひとりじゃありません。
そばでずっと支えてくれる家族が力強い味方です。
これまで自分を見守ってもらえたこと。そのことにまず、感謝の言葉を言える
ように、自分のベストを尽くしてください。
高校2年生 高校生徒会長 U・Sさん