言葉で変わる、言葉で変える(外国語発表会)
「何を考えているの?」と問われた経験は、みなさんも一度や二度ではないはず。
しかし、本当に自分が何を考えているのか、と改めて自分の「考え」に向き合ってみると
案外「考え」について把握していないことに気付きます。
話すことは人に「考え」を言葉で伝える行為です。
伝えようとする過程で、頭の中にあるときにはモヤモヤしていた部分が、言葉に
するとクリアになったり、補強されたりする感覚を味わったことはないでしょうか。
話すことを通して自分の頭にある知識を駆り出す作業は、実際にやってみると
爽快感と達成感に満ちていて、気持ちが良いものです。
そうやって練られた言葉を聴く作業は、他の人の頭にあった知識や発想を譲り
受けるわけですから、知らず知らず心が豊かになります。
日頃から使い慣れた母国語でさえ、そうなのですから、その作業を外国語で
行おうとすれば、さらに思いっきりアタマを使わねばならないでしょう。
今年度が2回目の外国語発表会。
中学2年生のカナダ体験学習リポートに始まり、中学3年生と高校1年生の
クラス代表によるスピーチコンテスト。海外帰国生SEC(Super English Class)
による童話劇。そして、フランス語履修者によるクイズや東京観光案内。
FrontierTeamによるタイ・チェンマイでの研修報告。
どのプログラムも何度となく推敲を繰り返した、充実の内容でした。
言葉と正面から向き合うことで、自分の中にある何かが動かされます。
そして、自分で練り上げた言葉を目の前の相手に、または見えない不特定
多数の誰かに向けて発することで、相手の中でも何かが動き始めます。
「何を考えているの?」という問いかけに対し、まずは自分の使い慣れた言葉と
向き合って考え、言葉にしてみること。
さらに、別の言語ではそれをどのように言うのか考え、表現してみること。
発表終了後、ステージから戻ってきた登壇者の表情は一様にスッキリとして
晴れやかでした。
大妻中野で過ごす6年間。可能な限り多くの、魅力的な言葉に出会い、自らを、
そして周囲をますます豊かに育みあって欲しい・・・。
言葉の奥深い魅力を、生徒たちの可能性を強く実感できた発表会でした。