妻中便り

みんなで頑張る。最後まで頑張る。(国立大学前期入試に寄せて)

もし、私の持っているものが私を意味するなら、また、私が持っているものを

失ってしまったら、私は誰なんだろう?

ドイツの社会学者、エーリヒ・フロムの言葉です。

 

受験ほど、「自分ひとりの力」が試されている、と感じるものはないかもしれません。

昨夜降り始めた雨が、白い雪に変わって景色をうっすらと覆った今朝。

頬にあたる空気はきっとものすごく冷たくて、これから対峙する試練が想像以上に

厳しく感じられたことでしょう。

 

大妻中野高等学校3年生、そして大妻中野卒業生として今日、闘いに挑んだみなさん。

いかなる場所に立とうとも、あなた方は大妻中野の空気そのものです。

何を持っているか、と問われるなら、抱えきれないほどの笑いと涙にあふれる思い出、

そして、何物にも代えがたい友達同士の、先輩後輩との強い強い絆、

保護者のみなさんをはじめとする数限りない大人たちがそそぐ、惜しみない愛情、

何よりも、我が校が心から誇りに思う、輝くような明るい笑顔・・・。

 

持っているものを失ったら?失うはずがありません。

みなさんがその手に握りしめているのは使い慣れた筆記用具だけではないのです。

大妻中野で得たありとあらゆるものは、今もしっかりあなたと手をつないでいますよ。

 

今日を闘い抜いたあなた、そして、明日も闘うあなた。

その手にあるものの大きさを、重さを、そして、後ろから支えてくれる存在のあたたかさを

もう一度感じながら、ここまで努力してきた自分を誇りに思ってくださいね。

みんなで頑張る。最後まで頑張る。

大妻中野生すべての努力を、目に見えないたくさんのぬくもりが支えています。

 

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