新生活を楽しみに(新入学帰国生保護者会)
年度末。
新年度、新しいクラスに教室を引き渡すための大掃除が楽しげな笑い声の中で
行われています。もう、この教室で、この仲間と会う日もあとわずか・・・と思うと
名残惜しさが募る一方、4月からの新しい生活に寄せる期待、そして不安が心の
中でせめぎ合っている人もいることでしょう。
今、一番希望や不安でゴチャゴチャになっているのは、やはり新中学1年生。
新しい制服に身を包む本人はもちろんですが、見守る保護者のみなさまも、
期待の大きさに比例して不安だってふくらんで当然です。
特に、小学校までの12年すべてを日本で過ごしていない、という事情があれば
なおさらでしょう。
海外帰国生が全校生徒の1割を超える大妻中野では、「帰国生保護者会」を
定期的に行っています。
日本語への不安、日本で営む学校生活への懸念、反抗期にさしかかった
我が子とのコミュニケーションに関する悩み・・・。
ご自身が海外帰国生、しかもご自身のお子さまも帰国生という大妻女子大学
教授の服部孝彦先生、2人の海外帰国生のお子さまをお育てになった経験を
お持ちの、海外子女教育振興財団カウンセラー小木曽道子先生、お二人の
強力なアドバイザーをお招きし、4月に入学をひかえた帰国生保護者のみなさまと
懇談会を行いました。
服部先生や小木曽先生の体験談をうかがいながら、似たエピソードに思わず
大きくうなずいたり、笑みがこぼれてしまったり・・・。
「同じ悩みを抱えている人がいるんだ」と、共感できることは、大きな心強さに
つながります。
大妻中野の生徒たちが嬉しいことも悔しいことも分かち合って、泣いたり笑ったり
しながら絆を深めていくように、保護者のみなさまにも「抱え込まなくても大丈夫」
という安心を感じていただきたい、大妻中野はそう考えています。
スライドで紹介された山口県の教育者の言葉が印象的でした。
「乳児はしっかり、肌を離すな。」
「幼児は肌を離せ。手を離すな。」
「少年は手を離せ。目を離すな。」
「青年は目を離せ。心を離すな。」
ゆっくり噛み締めるように読むと、深く考えさせられます。
自主自律を見守りつつ、目を、心を離さない。
4月からの新しい歩みを、保護者のみなさまともども、こんなふうに
見守りたい、と実感させられた貴重な時間でした。