スカーフに別れを告げて(中学卒業式)
桜開花宣言のニュースを耳にしたばかりだというのに、3月ももう
終わりが近づいているというのに、冷たい雨がパラつく朝。
まるで、春までもう少し待って!とお天気が言っているかのようです。
4月になれば、シルバーグレーのスカーフは後輩達のシンボル。
義務教育を終え、新しい制服で自らの進む道を切り拓く日々が始まります。
「セーラー服で集まるのはもう最後なんだ・・・」
口に出してみると、淋しさが募るようで、名残惜しそうに年季の入った
スカーフを撫でてみる中学3年生。
今日のお天気は、中学制服がまだまだ恋しい彼女たちの心をそのまま、
空が表現してくれたものなのかもしれません。
10日前、高校の卒業式では6年間の思い出がこみ上げ、涙に濡れて
上手に歌えなかった「旅立ちの日に」。
今日同じ歌を歌う中学三年生は、12月の合唱コンクールのために幾度となく
練習してきたお馴染みの曲を、見事なハーモニーで歌い上げました。
4月に集まるときには、ブレザーにネクタイ姿。
3年間、楽しかった日も歯を食いしばって頑張った日も、いつも一緒だった
スカーフとは今日でお別れです。
妻中生の笑顔も涙も知っているこのスカーフが、春の風をはらんで、輝く未来へと
中学卒業生を運んでくれることでしょう。
だって、卒業式が終わった後の空は涙の雨も上がり、光が差していましたから。
羽ばたけ中学卒業生!どこまでもひろい大空へ!