キセキのキズナを心に(高校卒業式)
ひとつの命が生まれ、育つことの奇跡。
日々生活していく中で、耳に新しいフレーズではありません。
どちらかというと、定型文のように聞き慣れた言い回し。
でも、よくよく考えると、そこには本当に、奇跡のような確率が見いだせるのでした。
数え切れないほど大勢いる人間の中で、1人の人と1人の人がめぐりあう奇跡。
そのめぐりあいから、ひとつの受精卵が発生するまでの奇跡。
受精卵が「赤ちゃん」として産声を上げ、素敵な名前をつけてもらい、育っていく奇跡。
3月15日。
メインアリーナで卒業式に臨んだ高校3年生は、1人1人が果てしない確率にもとづく
奇跡の履歴をもって、今日という日を迎えているのです。
父母後援会会長の心温まるメッセージを聞きながら、参列するみなさんが少しだけ
過去へと思いを馳せる顔に変わっていくようすが伝わってきます。
高校3年生がまっさらのセーラー服で入学してきた年は、2011年。
入学していちばん最初、みんなで確認したことは、登下校中、または学校内で地震が
起きたらどうする?という対処法だったのでした。
大妻中野の校舎もまだ新築へ移行が進む真っ最中。
古い校舎の最上階で、新校舎の完成を楽しみに待ちながら妻中生活をスタートさせた
学年です。
卒業式終盤。『旅立ちの日に』を全員で歌う瞬間、3年前の感動がよみがえります。
「どのクラスが金賞でもおかしくない!」
合唱コンクールの審査をする先生方を、心から悩ませた素晴らしいハーモニー。
大妻中野の合唱コンクール史上、まれに見る壮絶な、そして華麗な「絆」のせめぎ合い。
中学3年生の課題曲『旅立ちの日に』は、彼女たちの「絆」そのものです。
人が人とつながろうとする気持ちが、争いを防ぐたったひとつの武器になる。
会長のお話はこんな風に続きました。
奇跡と奇跡が手をつなぐとき、その絆には、幸福という、平和という新たな奇跡をこの世に
生み出すことが出来るのです。
きらめきに満ちた6年間。笑顔と努力と友情で大妻中野を彩ってくれた高校3年生。
ご卒業おめでとうございます。
さらなる奇跡を生み出すために、さあ、一歩前へ!もっと遠くへ!力強くはばたいてください!