妻中便り

目で、舌で知る初夏の「和」(中学1年生茶華道)

「こちらのお茶碗から持って行くのよ。先に点てた方が冷めて飲みやすいですからね。」

緊張の面持ちで先生の前に並ぶ中学1年生は、一瞬どういうことか分からない様子で

戸惑いの表情を浮かべます。

初夏にしては気温の高い昼下がり。

点てたばかりのお茶ではきっと熱いだろうから、少しでもおいしく味わえるように、という

お茶を知り尽くした先生のお心遣いからきた言葉です。

慣れないお作法と正座とで緊張しっぱなしの生徒たち。先生の真意が心にしみるのは、

もう少し経ってからかもしれませんね。

 

初めてのお作法にドギマギしているのは華道に挑戦したグループも同様でした。

ただし、こちらはハサミの扱いに慣れてくるにつれ、独創性を見せる余裕が生まれている

ようです。葉の長さや配置のバランスをアレコレ工夫しながら先生のアドバイスを受け、

オリジナルの作品を仕上げます。

真・行・草のスタイルから外れても、そこはオリジナルスタイル。

思い思いにハサミを入れた作品を花束にくるっとまとめてお持ち帰り。

今日は自宅に帰って、おうちの花器を使ったオリジナル作品に挑戦です。

お土産話と一緒に、可愛らしい作品がもう一つ生まれていることでしょう。

 

次に茶華道と触れるのは2学期です。今度はどんなお茶の味、どんなお花と出会うの

でしょうね。試験前の慌ただしさをちょっぴりやわらげる「和」のひとときでした。

 

 

 

一覧へ戻る