妻中便り

St. Andrew’s Seminar 2018 #12: A circus coming to the town!

Tonight was the fete night.  This fete, the first fete we took part in, not just joined, is significant in the history of the relationship between two schools.  Students prepared for it in the afternoon, and when it began, they tried their best to enjoy it.  It was such a great night.  We had no farewell party, but seemingly this was the best alternative.

And the fete itself is like a circus coming to the town, completely changing usual place into unusual one.

 

さて今日の午後のことですが、夕方からのfeteに向けて生徒たちは準備に励みました。

 

今回のようにfeteが留学日程中に行われことはこれまでもありましたが、

そこに出店という形で参加する、いわば大妻中野の短期留学プログラム参加者がfeteの一部になるというのは初めてのことです。

そういう意味でこれは両校の交流史上非常に意味深いfeteとなりました。

ただそういったことは特に意識せず、生徒は準備段階からこのfeteを満喫していました。

 

 

 

これがfeteの構内見取り図ですが、32番Japanese stallが本校のブースでした。

ブースといっても机と椅子があるだけです。

それをいかに装飾して魅力あるものにするか、そこは生徒の工夫と努力次第、

という点は本校となんら変わりません。

 

 

事前にSACCからの提案で、折り紙と書道のブースで両校の文化交流をアピールしては、

という申し出があったために今回の企画が生まれました。

実際にこちらに来て、本校から以前寄贈した浴衣を着用しては、というさらなる申し出を受けて、

急遽こちらサイドで企画変更し、準備と片付けに手間のかかる(そして衣服が汚れるリスクのある)書道はやめて、

浴衣を着て写真撮影するサービスを作りました。

というわけで、生徒がその看板を新たに作成しました。

 

 

折り紙の看板は既にどなたかが作ってくれていましたが、

この看板も含め、文面以外の装飾は完全に生徒のアイディアで行われました。

我々大人では考えつかないキャッチーなアイディアを出せる辺りはさすが高校生の柔軟な発想力です。

生徒を誇りに思った瞬間でした。

 

 

そして出来上がった看板はこのようなものです。

わかりづらいかもしれませんが、折り紙を貼り付けて立体的な装飾を施しています。

この折り紙は練習として作られたもので、いわば一石二鳥です。

 

開始時間の16時を待たずに、生徒や外部の人々が構内を歩き始めます。

我々のブースはやはり小さな子どもたちがちらほらと覗きに来てくれました。

見本として飾ってある折り紙作品を持っていってもいいし、

それを実際に作ってもいいですよ、ということでワークショップ形式をベースにした出店でしたが、

やはりオーストラリアの子どもたちにとっては慣れない折り紙、

一人一人時間がかかるので回転率は悪く、折り紙作りについては客数トータルでいうとせいぜい十数人でしたが、

ただブースにはほとんどの時間誰かが訪れていた印象です。

初出店で「まずやってみることに意義がある」という意識でしたが、

その割に上々の結果だったと思います。

生徒たちの丁寧な教え方はとても好評だったので、きっとそれが良かったのでしょう。

小学生相手の日本語授業やホームステイなど様々な経験を通じて、

もしかしたら生徒が具体的なスキルとして最も伸ばすことができたのは、

「子どもに英語や非言語メッセージを駆使して何かを教える」ためのスキルだったかもしれません。

もちろんそれは意識次第で子ども以外にも応用できるはずですが。

 

生徒はシフトを組んでブースのケアを担当し、

空いている時間はホストファミリーとの約束時間が許す限りはfeteを存分に楽しむ、

そういった打ち合わせを事前にしてありました。

シフト時間にはまず自分たちが浴衣を着ても良し、というルールも作りましたが、

今日一番生徒が楽しんだのがこの浴衣を着ること、

そしてそれを着た状態で構内を歩くことだったかもしれません。

 

 

添乗員の外山さんに着付けを手伝ってもらって、ほぼ全ての生徒が浴衣を着ました。

 

※本人の同意を得て掲載しています

 

そして数は少ないながらも、浴衣フォトサービスを利用してくれたSACC生もいました。

 

 

なかなか写真と文章ではお伝えしきれませんが、

生徒たちがいかに存分にfeteを楽しんだかはきっと明日帰国して真っ先に伝えられるはずです。

それをお待ち下さい。

 

さてせっかくなのでもう少しSACCのfeteの様子をお伝えします。

とりわけ本校の学園祭とは違う、というよりもちょっと考えられないことを挙げると、

 

 

校庭に巨大な遊具が出現する。

 

 

構内に移動式のATMが出現する。

 

 

警察車両が中央に常駐している。

 

 

教員に濡らしたスポンジを全力でぶつける企画が行われる

(最初にターゲットになっていたのはなんとMacMaster校長)。

 

 

夜まで行われる(8:30には完全終了)。

 

 

クライマックスは花火大会。

 

以上、本校と言うか都内の学校では少し考えられない部分が散見されて、

非常に興味深く面白い学園祭でした。

本校のブースは全て無料でしたが、体験企画や販売は全て有料で、

きちんと儲けも出る形になっています。つまり、そんなに安くはないです。

そしてそこで出た儲けはチャリティに回ります。

カトリックの学校ということもありますが、

学校で行われるイレギュラーな営利行為はほぼ全てチャリティに繋がるというのはこの学校の特徴でもあります。

 

様々な出店やこうした様々な催し、独特な環境づくり、

そうしたことが全て相まって、この日のこの時間だけ、学校は全く違う表情を持ちます。

これはまるで「サーカスが町にやって来た」ように、

日常的な空間が完全に非日常的な空間に変わってしまった時間でした。

 

そしてこの留学プログラムはそもそも生徒にとっては自らの日常から空間的に断絶された、

本当の意味での非日常空間で過ごした14日間でした。

明日の夜から生徒たちは日常の舞台へ帰って行きます。

明後日からは以前と全く変わらない日常生活が始まるかもしれません。

SACCにとってfeteは真夏(冬?)の夜の夢のようなもの、しっかり楽しんでそれでおしまい、

もちろんそれはそういうものですが、

この留学がそれと同様のただの真夏の夜の夢にならないことを心から願っています。

 

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