チェンマイ便り⑥
「足るを知る」。これは前国王のラーマ9世が在任時に大事にしていた言葉です。ラーマ9世は「足るを知る経済」をタイに浸透させるために多くの力を注ぎました。
チェンマイ6日目は北タイスタディーセンターで様々体験を通して「足るを知る」とはどのようなことなのか、経験的に学びました。
今朝も比較的早くYMCAを出発し、北タイスタディーセンターでサンパトンウィタヤコムスクールの先生・生徒と合流。サンパトンの生徒と一緒のアクティビティも今日が最後です。到着後、センターの責任者の方から、センターの概要についての説明がありました。このセンターは、北タイの農業のやり方について学べる施設で、集落が持続的に発展できるための農業システムについて丁寧に説明していただきました。そのやり方は伝統的なやり方に見えるものの、家畜の飼育・野菜や稲・果樹の生産、魚の養殖がすべて有機的につながって、無駄なくそして環境にも優しい、まさに持続可能な農法が繰り広げられていました。そして、その農法について、センターの方々がみな、非常に熱心に説明してくださいました。「足るを知る」経済や、その哲学を信頼し、そして広めようとする熱い気持ちが生徒にも伝わっていました。
センターの方針として、体験を通して「足るを知る」を感じてもらいたいとの思いから、伝統的な紙漉き、地元でとれる年度による焼きものづくり、彫刻、そして、田植えの体験をしました。こちらを教えてくれる職人さんも、すごく熱がこもっており、生徒も時間をかけて丁寧に作業に取り組んでいました。最後に田植え体験、タイの苗は日本の苗と形状が異なっており、田んぼの感触もちょっと違う気がしました。
生徒は田んぼに入るのを戸惑うかと思いましたが、心配とは裏腹にみんな田んぼに入り、かなり深く足が沈んでいくのと格闘しながら苗を植えていました。
これらの体験を通し、「足るを知る」ということがどういうことなのか、生徒たちも何か気づいたはずです。1日の終わりの振り返りでも、いろいろな意見が出てきましたが、「足るを知る」についてとても深く考えられた一日だったと思います。
明日はチェンマイの町歩きの日です。視野を広げ、これまで見えなかったものが見えてくるように、五感をフル活用して明日も過ごしていってくれると嬉しいです。
フィールドワークも折り返し地点を過ぎました。
ここまで、お腹を壊したり、体調不良になったりなど少しはありましたが、どれも症状は軽く、1日の行動に支障が出るようなことは一度も起きていないのがとても嬉しいです。みんな、自分のリスクマネジメントができているということでしょう。みんな食欲もあります!
残りも気を抜かずに、健康で、前向きで活気あるフィールドワークを続けていきます。