妻中便り

順天堂大学との高大連携特別授業を行いました – 国際保健医療という視点

本校は、順天堂大学と高大連携協定を結んでいます。順天堂大学は、180年以上にわたり、学是「仁」- 人在りて我在り、他を思いやり、慈しむ心 – の精神に基づき、地球的、国際的な観点から総合的に、世界中の人々の健康を見つめ、サポートする「健康総合大学・大学院」です。

一方、本校は、ユネスコスクールとして、建学の精神『学芸を修めて人類のために』に基づき、地球市民として、持続的なより良い社会の創造と自らの幸せを紡ぐことのできる人材の育成を目指すグローバル教育を特色とする学校です。

順天堂大学と本校の協定では、「相互の伝統と建学の精神・教育目標を尊重しつつ、信頼関係に基づき、より有効な教育を構築していくことを目指し、双方の教育機能について交流・連携を行う。」ことを基本にしています。

5月18日、順天堂大学 国際教養学部・大学院医学研究科・国際教養学研究科の白山芳久先生が本校で、この協定に基づいた特別授業を行ってくださいました。対象は、本校の先進的な探究学習に取り組むプロジェクトの生徒達と医療、国際教養といった分野に高い関心を持っている生徒たち。中学2年生から高校3年生まで、50名弱の生徒です。

白山先生の特別授業は2部構成。第1部は、順天堂大学、そして国際教養学部での学びと研究について。第2部は、国際協力、国際保健医療という先生のご専門の分野についての内容です。

前半、第1部の順天堂大学と国際教養学部の学びについては、本校の卒業生で順天堂大学に進学した学生の話題とともに、本校が大切にしている学び、地球市民教育、英語、フランス語などの外国語教育と順天堂大学と国際教養学部の繋がりを大切にして、説明してくださいました。

後半、第2部では、先生のご案内で、参加生徒全員が、ラオスを旅して、病院や村を訪ねる体験をするというとてもアクティブな授業スタイルで、中学生も高校生も全員が、「国際協力・国際保健医療」を学び、社会課題を考えることができました。Health Literacy というキーワードから、大学での学びを感じた生徒も多かったようです。

また、本校は、スーパーグローバルハイスクール・ネットワーク校として、10年に渡って、タイ・チェンマイでのフィールドワークを行っている学校です。白山先生ご自身の大学での研究活動のフィールドの1つがタイ、チェンマイ。先生からは、「大妻中野の皆さんが、タイ・チェンマイで、フィールド研修を毎年行っていることを聞いて驚きました。ますます今後の連携の可能性を感じました。」とのお言葉を頂きました。

この連携授業に参加した生徒の振り返りを一部、紹介します。

・ 特別講義を受けて本当に良かったです。ラオスのことだけでなく、感染症が流行っているときの様子を知ることができました。マラリアには、死に至る感染症で、そういう病気で命を落とす人を減らしたいと思いました。いまだに国と国には大きな格差があり、協力が必要であることを学んだ。  – 中学2年

・ 私は行動に移さなければ意味がないと思っていて、ハードルが高いなと思っていたが、先生がおっしゃっていたように、今考えたり、家族に伝えるだけで1つ行動になるのだと知った。国際問題には前から興味があったから、あまり難しく考えず、できることから問題解決に貢献したいと思った。今はヒトに伝えたり、寄付をしたりと、小さなことから取り組んでいきたい。将来的には現地の人と会ったり、ものを送ったり、直接的に現地の方々を救えるような取り組みをしていきたい。- 中学3年

・ 順天堂大学の国際教養学部では、海外研修や外国語の授業など、学ぶ環境が充実しており、将来の視野が広がりました。また、ラオスのことや国際保健医療、ヘルスコミュニケーションなどについて知ることができました。- 中学3年

・ 今日の講義を聞いて、白山先生の自分のやりたいことに挑戦し続けている姿勢を尊敬します。また、ラオスでは、12歳から結婚ができるという、自分が生活している環境とはかけ離れている現状に衝撃を受けました。さらに、マラリアなどの感染症の現状を知り、身の回りでも「Health Literacy」を具体的に考える必要があることを自覚しました。 – 高校1年

・ 国際保健医療学について、この受け入れがたい格差の原因、その差をどうやったら縮めることができるか。実際に学んでみたいと感じた。地域によってどのような差があるのか把握しているだけでも考え方が変わると感じたので、health literacyについても知りたいと思った。 – 高校2年

 

 

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