St Andrews Seminar No.5
セント・アンドリュース・セミナー 5日目
7月28日(月)
今日も快晴です。最低気温は13度。最高気温は26度。一週間の始まり。やれやれまた仕事が始まったか…という感じのケアンズの中心街です。
今日は朝、8時前から8時25分まで、セントアンドリュースのレセプション前で登校する生徒の様子を見ていました。大妻中野の生徒は皆、ホストシスターと一緒に、朝早く登校しています。もうすっかり慣れたようです。家庭では思うように意思が伝わらないことがあったり、苦労しているところもあるようですが、乗り越えようという気持ちはホストファミリー、ホストシスターも皆、一緒です。セントアンドリュースの先生も一生懸命に皆さんのサポートをしてくれています。
セントアンドリュースの登校風景。学校の朝の登校風景は世界中どの学校でも、おそらくそんなに変わらないでしょう。おそらく世界のどの国でも、社会への懐疑心に満ち溢れた14歳はやはり不機嫌な表情で登校してくるのでしょうね。「今、反抗期中!」と顔に書いてあるかのような中学生の男の子(7年生、8年生ぐらいかな)も、「やってられないんだよね」という感じで僕の横を通り過ぎ、教室へ向かいます。8時15分に先生方が書類の束やかごを持って、きびきびした歩き方で教室へ向かいます。学校の空気が一気に緊張します。有史以来、世界中の学校で見られてきた風景。生徒が数人あわてて駆けてきます。がんばれ!世界は君を(実は)待っているんだよ。
月曜は集会の日。集会は2つに分かれていて、朝、8時30分から10年生と11年生(いわゆる高等部)の集会、その後10時40分から7,8,9年生(いわゆる中等部)の集会です。基本的に2つの集会の内容は同じです。まず教務主任のブラッド先生から、今週の学校の予定、変更になることなどの告知があり、続いて生徒の表彰。特に今週は水曜日に新校舎新築の記念セレモニーが開催されるので、服装、髪型、式参列の態度、賛美歌と校歌をしっかり歌うことなど厳しく注意されていました。集会では、教務主任の先生のさまざまなお話の後、スクールチャプレン(学校の牧師)の先生が、賛美歌の指導をしながら何回も歌います。チャプレンの先生はギターを持って、そのギターに合わせて歌います。いわゆるゴスペル風の歌唱。歌詞の意味をしっかり確認しながら歌います。感動しました。
教務主任ブラッド先生が、今週の予定の告知の中で、大妻中野の説明をしてくれました。集会には本校の生徒も参加しています。大妻中野の存在を大切にしてくれている、リスペクトの気持ちが感じられる心温まる紹介でした。ブラッド先生の紹介を受けて、今度は私の方がセントアンドリュースの先生方と生徒へ感謝の挨拶をしました。よかった。これで晴れて正式にセントアンドリュースの学校とお付き合いができるという安堵感を得ることができました。集会の終わりの解散の時に、早速、セントアンドリュースの中学生が話しかけてきます。「今、反抗期中だけど、ちょっと日本にも(特に空手とか)興味あんだよな」という感じの男の子もいます。「いいね。空手は(もしかしたら)君の新しい世界へのドアになる。」社会への懐疑心はこうした新しい興味も生み出していくんですね。
セントアンドリュースでの私たち大妻中野の存在が、少しでもここの学校の生徒たちにとって新しい興味、関心を持つためのきっかけになってくれたら、とても素晴らしいことです。片言の日本語がその生徒の人生に大きく影響するかもしれません。さらにはそれぞれの国全体、世界全体の枠組みにまで影響するかもしれません。ここでの体験は、滞在中は極めて限られたものかも知れませんが、その体験がその後の自分と関わったすべての人に与えるものは、実はとても深いものです。つらい体験も素晴らしい体験も、しっかり心に刻まれるでしょう。5年後、10年後、20年後、間違いなくここでの体験が人生に現れます。 It makes difference. ですね。
引率 水澤 孝順
10,11年生の集会。
お互い、だいぶ慣れて笑顔も自然です。