大妻中野の海外帰国生教育
本校の帰国生教育は、2002年より帰国生教育の積み重ねがあり、
全校生徒の1割にあたる帰国生一人ひとりの、海外での生活体験・学習履歴を生かした教育を実践しています。
本校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校として文科省の指定を受け、「グローバルリーダーズコース」を設置し、未来社会におけるグローバル女性リーダーを育成します。
また、2011年度からは、日本の帰国生英語教育の第一人者である、大妻女子大学・大学院 服部孝彦教授が
英語教育および帰国生教育アドバイザーとしてサポートをしています。
本校の海外帰国生教育の特色
- 海外経験を誇りに・将来へ生かす
- 一般生との混合クラスでお互いに高めあう環境
- 英語力をさらに伸ばす(中1・中2では英語少人数授業)
- 国語・数学の不安を解消する
- 課外講座も充実
グローバルリーダーズコースとは
海外帰国生と英語に高い関心を持つ国内生を対象にしたクラスです。
海外帰国生入試受験生は入学後、「グローバルリーダーズコース」に在籍します(原則)。
Message(服部孝彦先生)
帰国生が海外で身につけた英語力は大きな財産です。応用言語学の一研究分野として確立してきました第二言語喪失の研究成果の中で、特に帰国生に対して英語保持を成功させるためには、効果的なアプローチがあります。
英語の4技能には「聞く力」「話す力」「読む力」「書く力」がありますが、これらの力を同時に失うわけではありません。保持しやすいのは受動的技能である「聞く力」と「読む力」です。「読む力」はとくに重要で、日本にいながら大量の良い英語のインプットを与えるには、英語の本を多く読むことが効果的です。
帰国生の英語喪失に共通しているのは流暢さがなくなり、それと同時に語彙を忘れてしまうことです。しかし文の語順などの知識である統語的な力や、ネイティブスピーカーのようなきれいな発音はそれほど急速には衰えません。忘れてしまった力にではなく、まだ保持できている力に注目した指導も大切です。
帰国生の語彙力は急速に衰えますが、これを放置してはいけません。第二言語における語彙喪失の研究では、子どもは英語の語彙をきれいさっぱりと忘却してしまったわけではないことがわかっています。一度覚えた語彙を思い出すには手助けが必要です。英語の本を読むことによって、忘れた語彙を文脈の手助けによって思い出すことも可能です。英語に大量に触れることにより語彙力の衰えもある程度までは防げるのです。
本校、大妻中野ではこうした専門的な研究の成果を十分に踏まえた効果的な指導を取り入れて学習を進めていきます。また、保護者の効果的な関わり方などについてもアドバイスを行い、成果をあげています。
服部 孝彦(はっとり たかひこ)
大妻中野中学高等学校
英語教育・グローバル教育アドバイザー
大妻女子大学・同大学院教授、早稲田大学講師
初等・中等・高等教育を日米両国で受けた元帰国子女。言語学博士(Ph.D.)。米国ケンタッキー州立ムレー大学(MSU)大学院客員教授等を経て現職。(公財)海外子女教育振興財団外国語保持教室アドバイザー、国連英検統括監修官兼外国人面接官指導研修スーパーバイザー、JSAF-IELTSアカデミック・スーパーバイザー、元NHK英語教育番組講師。文部科学省SGHやWWL等の、国のグローバル化のためのリーデイング・プロジェクトの中心メンバーとして活躍している。著書に文部科学省検定中学および高校英語教科書他、著書195冊、学術誌発表論文147編、学会発表論文193編、教育誌執筆記事493編。今までの日本及び海外での英語教育、グローバル教育、帰国子女教育関係の講演回数は合計1,200回を超える。日本に本拠地を置く現在でも日米間を頻繁に往復しながら、米国の大学での講義・講演、国際学会での研究発表を精力的にこなす。